ネットで便利にコードを調べることができるようになりました。
でも、これを使っているかぎりあなたはギターの上級者にはなれません。
今やネットで「ギター 〇〇(曲名)」と検索すると必ず「U-FRET」が一番に出てきます。必ずですから、これはこれで大したものです。
次に多くヒットしてくるのが「楽器.me」でしょうか。
こういうものがない以前は・・・というと「ギタースコア」という楽譜か「ソングブック」を買ってきて、それに載っているコードを見るしか方法は無かったのです。
今は「検索」で曲に合わせたコードとダイアグラムという指の押さえ方まで載せてあります。かつ各キーごとのコードにも対応しているので、弾き語りの場合は自分のキーに合わせたコードを知ることができます。
なので、利用している人も多いかと思います。
ただし、
これを使っているかぎりあなたはギターの上級者にはなれません。いや中級者にもなれないと断言できます。
理由は
コードの選択を常時「人まかせ」にしていると、いつまでたっても自分でコードが思いつかない
ギターっていうのは「曲を聴いてそのまま適切なコードを選択して鳴らせるようにならないといけない」んです。
って言うと、そんなことできるの?って思うかもしれませんけど、ギター弾きってのは本来そういうもんです。
「ねえ、○○弾いて」って彼女や彼氏に言われて、「ちょっと待って~」と早速U-フレットでググるようではカッコ悪すぎです。
私の時代は(昭和の中頃)はインターネットがありませんから、持っている「ソングブック」にその曲がたまたまあればそれを見ながらジャラジャラと弾く。載っていなければ「無いものは無い! それは弾けません!」でした。今は、ググるととりあえずコードが出てくるから罪深いですね。
だって、当時は無い曲は後で頑張って自分でコードを当てはめて弾けるようになるまでがんばるんですから。みんなそうやって、「聞くと弾ける(たいてい)」になっていったわけですよ。
ユーフレットに頼っていたんじゃ、いつまでたってもスマホとにらめっこしないと弾けない、さえない奴です。
自分のキーに合わせるのに時間がかかる
U-フレット的なコード提供サイトでは最初に表示されるコードは「簡単弾き」という仕様で、押さえやすい「C」などのコードを指定されたカポ位置で鳴らせば原曲のキーに合うようにしてあります。
あいみょんさんの「マリーゴールド」で調べてみると下の図のように表示されます。
上の図の「楽譜設定」が表示されますが、
※1 カポ -2(Capo2)とはカポタストを2フレットにセットしてくださいという意味です。
※2 ±0(原曲キー)というのはこの状態でオリジナルの曲と同じキーですよという意味です。
※3 ★簡単弾きというのはこの状態で、表示された下の図のコードで弾きましょうということになります。
デフォルトの※4「押さえ方ON」としていると、下の図のように歌詞の上にコードダイヤグラム(コードの押さえ方表)も表示されます。
オープンコードと呼ばれる、開放弦(なにも指で押さえないでいい)が多くて、バレー(初心者が苦手な人差し指で6本の弦を一度に押さえるテクニック)が少なく、押さえやすいコードたちで弾けます(ということになっています)
ちょっと見てみましょう・・・
どうですか? ギターを始めたばかりの方には謎の五目並べ?でしょうね。
話が脱線しますが、カポとかフレットとかキーとか何のことやら・・・という方がおられますよね。その方のために。
ちなみにカポ・・・とは正式な名前は「カポタスト」というイタリア語で、下の写真のようなアタッチメントです。
フレットとはギターさおにたくさん埋め込んである金属の棒の事です。
キーとは、カラオケなんかでも使う「キー」と同じです。
少し難しいかもしれませんが、カポを2フレットにはめて「C」を弾くと「原曲のキー」だというのは
原曲のキーは「D」だということです。
なぜでしょう?
カポを2フレットにつけて「C」。
ではカポをつけない状態で「C」を押さえます。 これでジャラーンと弾けばまさしく「C」のコードです。
では、カポを1フレットにつけて、また「C」を押さえてジャラーンと弾くと、この和音は「C」の半音高い「C#」(シーシャープ)が鳴ります。
もうひとつ。カポを2フレットにつけて「C」を押さえて弾くと、この和音はめでたく「D」の音です。
なので、あいみょんさんがもしカポを使わずに弾いたとしたら「D」のキーで弾くことになりまして上の図のAm(エーマイナー)のところがBm(ビーマイナー)といういわゆるバレーコードになります。
また、ちなみにBmの押さえ方は
バレーと呼ばれる、人差指で6つの弦をガバっと一気に押さえるテクニックが必要で、初心者さんにはなかなかハードルが高いという訳です。
ところで、毎日いろいろ練習してるんだけど・・・判らない事が多くて挫折一歩手前のかたがおられます。
そういう時は、思い切って教室で学ぶ事もとても大切です。 ネットで知識を得るのも気軽ですが、それでも肝心なノウハウ的な事は実際に見て、感じないと判らないものです。
判らないまま、知らないままだと、そのまま挫折してしまいます。
ずっと通わなくてもいいんです。体験入学(たいてい30分程度)して、行けそうだなと思ったら半年くらい通ってみると、一人で悶々としていた霧が晴れて、また練習するモチベーションになりますよ。
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さて、続けます。
コード演奏の理想とは
コード演奏の理想は、
曲のメロディーを聴く → コードが頭に浮かぶ です。 この際重要なのは、オリジナルの曲を聴きながら・・・ではないということです。
自分のいつも押さえ慣れているコードのかたまり。たとえばCで始まるなら「C Am G D F Ðm G7」など。私はコードユニットと呼んで教えています。
自分の頭の中で鳴るメロディー(この場合は自分に合ったキー)にこのコードユニットの各コードを当てはめていきます。転調のない普通の曲でしたら、たいてい当てはまるコードが頭に浮かびます。
※コブクロの曲を聴きながら、そのオリジナルのキーのコードがすぐ頭に浮かぶ訳ではありません。そんな人は絶対音感っていうのがあって、すべてのキーのコードを即座にその曲に乗せる事が出来る超人です。 わたくし50年以上ギター弾いてますが、そんな事できません。
さて、コードユニットの話に戻りましょう。弾きたい曲がありました・・・そこでいつも弾いている自分の得意なキーでコードを構成していきます。(鼻歌を歌いながら、ここはこうかな、このコードのほうがいいかな? なんてね)
オリジナルの歌手が歌っているキーとは当然違います。
自分で歌うキーや伴奏する人のキーに合わせるためには、ここで初めてカポタストを使います。
いつも弾きなれたコードユニットで頭に浮かんだコードで弾いてみて、歌う人のキーに対して低ければカポで上げます。
高い場合も上げます。例:2個(半音2個・・・ギターのフレットで2つ、すなわち全音下げたい場合は、フレットで5個上げます。
Cで弾いて、高いな、2つ下げたいな。となれば C→B→A♯となり、A#のキーで弾けばよいことになります。 つまり2つ下げたいなら5つ上げればいいのです。
※下げたい場合に上げるって、訳わからん!!! という方は
カポタストの使い方。弾きなれたコードで、自分の歌うキーに自在に合わせる方法
で説明していますので見てみてください。下の写真はおすすめのカポタスト
曲を聴く。自分の得意なコードユニットで合わせて弾いてみる。これをやっているとあら不思議、自然に次に押さえるべきコードが浮かび、手が動くようになってきます(本当ですよ)
こうなると、たいていの曲はメロディーが分かると速攻でコードで弾けるようになります。
自分のコードユニットを持つ。実際には覚えておくべきオープンコードのユニットは3つしかありません。プロじゃないのですべてのユニットを覚える必要はありません。
大事なのは自分の得意なコードユニットをひとつ完璧にマスターすることです。私の場合はGで始まるユニットです。
この関係は以前に書いた次の記事がすごく参考になるはずです。ぜひ見てください。
カポタストの使い方。弾きなれたコードで、自分の歌うキーに自在に合わせる方法
曲に合わせたコードの選択とその進行(どのように歌詞にコードを当てはめていくか・・・)がコード提供サイトの最大のメリットですが、以下に注意する点を説明したいと思います。
コード進行にクセがあります
その1 U フレットさん! オンコードとかやめて・・・。
さて、前述のあいみよんさんの「マリーゴールド」のコード進行を見ましょう。
C → G/B → Am → G
むむっ?? G/Bって?? このコード進行を下のようにダイヤグラムで表すと
1)C
2)G/B
3)Am
4)G
むむっ?? G/Bって?? ギターの経験が長い人だとこの曲を聴いて、Cで始まるならこの曲のコード進行は
C Em F C
風の強さが ちょっと 心を揺さぶりすぎ て
または
C G F C
風の強さが ちょっと 心を揺さぶりすぎ て
です。 よくあるコードの解釈の違いというやつですが、なかなか違いますね~。
G/Bというコードは「ジー・オン・ビー」と発音しますが、いわゆる「オンコード」ってやつです。
1弦がGの音で5弦でBの音。U-フレットのコード進行の4番目に出てくるGのフォームの6弦を✖(押さえずに弾かない)というコードです。
ここは別に普通のGでいいじゃないか・・・というところです。なぜ6弦を✖してまでGじゃないんかというと
C → G/B → Am → G という進行はベース音が C → B → A → G (ドレミで言い換えると ド シ ラ ソ)と下がっていく高級テクニックだからです。
ストロークのテクニックとしては、
C 6弦は✖でしっかり親指でミュートして弾かない。5弦のベース音「C」を強調してストロークで鳴らす。
G/B 6弦は✖でしっかり親指でミュート、かつ5弦はしっかり協調して鳴らす。
Am 6弦は✖でしっかり親指でミュートして弾かなず、ストロークで5弦の開放弦をしっかり協調して鳴らす。
G ここにきてミュートはなくなるが、やはり6弦を強調してストロークで鳴らす。
うわーめんどくさ!! 要は、ベース音がだんだん下がってくる感じを出すためのコード進行なので、移動するベース音をしっかり弾かないと意味がないということです。
気持ち的には弦の低音側(6 5 4弦)を7割くらいのイメージでストロークを当てる感じです。
文章で書いても伝わらないと思いますので、弾いてみました。↓
けど、そんなこと一つも書いてないので、初心者の方は盲目的にこれを弾くわけですね。さらに、コードの押さえ方の説明がない・・・。ダイヤグラムの●のところをどの指で押さえたらいいのか書いていない。きっと、それくらいどこかで調べてくださいってことでしょうけど、なぜこれが「簡単弾き」なの? って思います。
それはさておき、普通はこういったコード進行は使いません。あいみょんさんご本人の武道館ライブをよーく見るとこのU-フレット表示の進行で弾いています。(正面から映っていないので、注意して見ないと判りませんが)
youtubeの「弾いてみました」的な弾き語りを見ても、このコード進行で弾いている人が何人もおられますが、おそらく「U-FRET」や「楽器.me」で見たと思われます。
「U-FRET」や「楽器.me」のコード採譜者(曲を聴いてコードを当てはめる人)はこのライブ動画を見てこの進行にしたと思われます。だって普通はこの手のオンコードは思いつきませんもん。また思いついても「簡単弾き」として載せますかっての。
おそらくあいみょんさんご本人も、作曲されるときは普通にGで弾いていたのを、どなたかコード理論に詳しい方がアドバイスしたのだと想像します。
ごく普通のコード進行になれる前に、意図を知らずしてこういうコード進行を覚えると変な手くせと耳くせがつきます。 いいか悪いかというと、私は良くないと思います。
3)コード進行にクセがあります。
その2 U フレットさん! 一拍だけ入れないで・・・
今度は中島みゆきさんの「糸」という曲で説明しましょう。 ユーフレットの出だしのコード進行は次のとおりです。
あいかわらず、どの指で●を押さえたら・・・どこでコードを替えたらいいか・・・はこの表だけではわからないです。「動画プラス」という試みもありますが、それもわかりにくいですね。
それはともかく。上のコード進行で「な~ぜ~ めぐりあうのかを~」までのコードは正当だと思います。普通です。
次の「私たちは~」の「たちは~」でEmを弾く指示がありますが、その直前の「私」のところでDを入れています。
「たちは~」のEmの前に1拍だけ(言い換えればワンストロークだけ)Dを弾く指示を入れているのです。
これがくせものです。普通にその前の「のかを~」で弾いているGをワンストローク弾いてからEmに行ったほうがよっぽど素直です。
ユーフレットはこの手の一拍つなぎのコードを入れる進行が多いです。採譜者の方の好みなんだと思いますが、ユーフレットのユーザーはコードが分からなくて調べに来るくらいの初心者さんなのですから、こういうテクニックをむやみに入れても混乱すると思います。
次の「な~にも 知~らない」も同様です。
Am7/D(エーマイナー オン ディー)という、またまたオンコードをDの直前にワンストローク入れています。 5弦の5フレットがDの音なので、こういうコード名なのですが、誰かの歌を伴奏するならまあ、ありかとも思いますが、自分で弾き語りしたい人がほとんどでしょうから、歌唱の流れをじゃましてしまいます。
そんなこんなで、ユーフレットばかり使っていると上達しませんが、近くにギターの事を教えてくれる人がいない人や、レッスンなんか通えるお金ないよという方には強い味方であることも事実です。
使いずらいユーフレットの問題を解決する記事も書いてみたので、参考にしてください。