ギター界での大きな事件といえば、有名なアメリカ「GIBSON社」(以下ギブソン)の訴訟事件でしょう。
ギブソンと言えば、同じアメリカのギターメーカー「MARTIN社」(マーチン)「FENDER社」(フェンダー)とともに世界を三分する老舗です。
ちなみにそれぞれの会社の創業は、ギブソンが1894年。マーチンが1833年。フェンダーが1945年と3社のなかでは比較的新しいですね。
ちなみにマーチンの創業年の1833年っていうと日本はどんな感じ? て調べてみると「天保の大飢饉」と出てきます。 おそるべき歴史の重みですね。
歴史はさておき、ギブソンの訴訟とは
一言でいえば、
「うちのコピー品を売ったな! 訴えってやる!」
という訴訟です。
ギブソンの「レスポール」というモデルを見たり、聞いたりしたことないですか? これはエレキギターですけど、すっきりしたお顔のモデルです。ギブソンはこれをコピーして売っていた日本の楽器メーカーを相手取って訴訟をおこしました。平成5年の話です。
当時の日本はギブソンやフェンダーのコピーモデルが何社もありました。私も当時、雑誌なんかのいちばん後ろのページに出ているそれらのコピー品の広告を覚えています。
ひどいのはGibson やFenderのロゴをよーく似せて一文字変えたりしてましたよ。 そういえばスキーの板なんかもそうでした。 中国のコピー文化はひどいね・・・なんて言ってる今の日本人も昔は恥さらしなコピー屋だったんですよ。
話を戻すと、訴えられたのは「フェルナンデス」という日本のメーカーで、今ではそこそこ中堅の立派な楽器メーカーです。
芸人のはなわ氏が「伝説の男~」と歌いながら弾いていたスピーカー内蔵のベース「ZO-3」シリーズは爆売れしました。
画像は普通の6弦ですが、はなわ氏は4弦のベース仕様でしたね。
さて、この会社も、先ほどの雑誌広告時代は3流品でした。今やドラムの超一流「TAMA」だって同じような3流品でしたもん。
大ブランド「ギブソン」に訴えられて弱小コピー会社は速攻敗訴かと思いきや、判決は
「別にいいじゃん」でした。 コピーしてもいいの? って感じですが。
理由は、「昔からコピーされてたのに、ずーっと放置・野放しだったでしょ? いまさら無理ですわ~」ということでした。 ギブソンは腹立ったでしょね。
権利は即主張しないとダメってこと。 まあギブソンの重鎮たちは、属国の弱小メーカーが真似してる? ほっとけば? うち「ギブソン」よ! だったのが、若社長になってから
「うち、不利じゃないすか」と訴えたけど、時遅しだったんです。
一方、アップルがピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン」の商標登録を訴えたって話は、「大人気ないわ~」って反応しますか? それとも即「訴えてやる!」根性を評価しますか?
次回はもう少し下世話な事件をお送りします。