リゾネーター・ギターのお話

 鍋のふたがボディーに張り付いたような、はたまたラマ教か密教の祈祷の道具のような摩訶不思議な形を持ったギター。これこそがギター界の超珍品「リゾネーター・ギター」 (Resonator guitar) です。

 見たことありますか? 無いですよね。普通の楽器屋さんではまず売ってませんから。

 写真はボディーが木製ですが、ネックをのぞいてオールメッキの鉄板のものもあり、とてもギターとは思えません。

リゾネーターギター

 その一番の特徴は、金属製の大きな丸いパーツです。こいつは一体なんでしょうか。私はずっとこういう飾りなんだと思ってました。いろんな形がありものですから。

 しかし、いろいろ調べてみるとこれは「共鳴板」というもので、resonateとは「響き渡る」という英語なんですね。

 構造は、下の断面図のようになっています(シングルコーンのナショナル社タイプ。ドブロ社のものはコーンが逆についている)

 

 弦を弾くと振動が生まれます。一般のギターは この振動をサドルと呼ばれる弦を支えるパーツからボディー全体が共鳴箱となってある程度の音量がサウンドホールという穴から出てきます。

 リゾネーター・ギターは弦の振動をサドルから直下の「コーン」と呼ばれる増幅器(拡声器みたいなラッパです)に伝えて、この増幅された音がサウンドホールから出てくるという構造なんです。

 その発祥は、その昔他の楽器に比べて音量が貧弱なギターを目立たせたい(当時はアンプで増幅という技術がなかった)と考えた人が試行錯誤の上作り上げたものなんだそうです

 発明したのはジョン・ドピエラルディー・ドピエラのドピエラ兄弟・・・ドピエラ・ブラザースでドブロ・・・という会社が出来ました。戦前の話です。その前にナショナルギターという他のメンバーと創業した会社がありますが、けんか別れで兄弟は退社してます。

 その後、この2社は紆余曲折を経てドブロ社はギブソン傘下に、ナショナルは再建して今の会社にと変わっていきました。

 日本でも愛用していた人がいます。田端義男さんって知りません? 私が小学生の頃はまだ現役で、ステージに出てくると観客に「おーっす!」と呼びかけるパフォーマンスで有名な演歌の歌手です。「大利根月夜」とか知りませんよね。 この方の生誕100周年記念で故人の愛機を五木ひろしさんが一度だけステージで弾いて話題となりました。この方は、ギターを脇に抱えて弾くスタイルが特徴だったのですが(それこそ水平に脇に挟む感じ)、愛用していたのがナショナル社製のギターです。ただしこのモデルはエレアコでリゾネーター仕様ではないようです。

 本格的なリゾネーター・ギターの使い手は加藤和彦さんがおられました。 Chihana という女性アーティストが故人から彼のドブロを受け継いでステージで弾いておられると聞きました。

 音色に興味のある方は、youtubeで弾いている方がおられますので聞いてみますか? なんとも不思議な音ですよ。

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