ギターを始める場合、【コードが先かメロディーが先か】の話

   ギターを初めて手にしました。さあどうやって練習をしていったらいいのでしょう。

私の持論はコード弾きから入るべきだと思います。

理由は、初心者はそのほうが挫折しにくいからです。 そうです楽器というのは残念ながらかなりの確率で挫折してしまいます。

例として、コードから入る場合とメロディーから入る場合の練習のステップを大まかに分けてご説明します。

<メロディーから入る場合>
ギター教室や教則本などでは,だいたい次のようなステップで練習を進めていくと思います(こちらを「メロディー教則」とでも名づけましょう)

1)ギターの各部の名称や構え方、チューニングの仕方などの基礎的な説明をします。

2)次に、ここからはたいてい「ギターを弾いてみましょう」となります。 ドレミファソラシドの音階のフレットを左指で押さえて指で弾いていくといった、演奏というより作業に近いものです。

フレットって何?と思った方はこちらの記事で確認を)

基礎だから仕方がないのですが、つまらない事この上ないステップです。

これでも初心者にはたいへんな作業で、

-押さえてもちゃんと鳴らない。

-押さえている弦と違う弦を弾いてしまう

といったミスを繰り返します。 なので「嫌になっちゃいます」

この「メロディー教則」を私はクラシックギターの教則本で経験しました。

今は無くなった「東京音楽アカデミー」というレコード盤を使った通信教育でクラシックギターを始めたのですが、平行して父親が持っていたギターの古典的な教則本も練習しました。

クラシックギターの教則本には、古典的な「カルカッシ教則本」というものがあり、有名な奏者が日本人向けにアレンジしたものがいくつかあります。 多分、ピアノでいう「バイエル」とかに相当するものです。

譜面に書かれた音階をひとつひとつ弾いて、「単音を弾く」ということに慣れていく練習を繰り返します。

がたくさんついてくると、押さえるフレットの位置が少しずつ変ってくるので大変なのですが、人間の脳は優秀で、やっているうちに自然と目と指が覚えていきます。

その次に練習曲というのをやっていくわけで、かんたんなものはメロディーだけの演奏で、すこしづつレベルが上がって和音も含んだ練習曲になります。

かなり弾けるようになると、ちゃんとした曲名のあるクラシックの譜面が出てきて、これに取り組む事で腕前が上がっていくというスタイルで、忠実にやると本当に一歩ずつ確実に上達します。

<コードから入る場合>

まったく反対の方法としてコード(和音)を弾くことから入るやりかたがあります。「コード教則」といいましょうか。我がAcousticbombはこのスタイルです。

1)は同じ

2)からは循環コードと呼ばれる、C > Am >D7 > G のような流れのコードの押さえ方を覚えて、それを右手でジャラーンと鳴らしてみます。

要は伴奏主体のギターなんですね。 だからメロディーは歌でもいいし鼻歌でもいいんです。

両者の良いところと悪いところ
「メロディー教則」
<良いところ>
・歌を歌わなくても、ギターだけで表現ができる(上手になればですが・・・)

※ギターというのは、メロディーを単音で弾いても、弾いてるほうも聞いている方も全くつまらないんですね。

もう一人ギター奏者がいてコードを弾いてくれていたり、ピアノなどの伴奏があると単音のメロディーも生きてくるのですが。
(クロードチアリさんなんかは、このスタイルですね。誰かが伴奏(ギターだけに限らず)していて、チアリさんはひたすらメロディーを弾く)
なので、一人でメロディーと伴奏を同時に弾くという必要が出てくるわけです。これが「ギターソロ」または「ソロギター」というジャンルです。

この「ギターソロ」というのはポップスやジャズの名曲、昭和の懐メロまで多くの動画がをYOUTUBEでアップされています。

腕に自信のある演奏者が自分で運指(ギターの弦のどこを押さえるか。弾くか)を考えて弾いているものや「現代ギター」などに代表されるギター専門誌に譜面が掲載された曲を弾いたものなどなど、みなさん結構上手です。

この手の演奏はYOUTUBE上の世界中にあって、有名な曲なら2~30はアップされている思います。 でも考えると、世界中で・・・となるとこの数は意外と少ないのかも。

<悪いところ>
・これを体系だって教える人はほぼいないこと。なぜか・・・。 教えるのがメチャ難しいからです。

「YOUTUBEのこんな素晴らしい演奏、自分も弾いてみたい!」 と思っても、ギターの演奏は動画を見ても手の甲がじゃましてどのフレットを押さえて、どう弾いているのかさっぱりわかりません。 目コピ、耳コピはかなりの上級者でないと無理ですしね。

一方、この曲はこんな風に弾いているよ、といういわゆるチュートリアルの動画というのはあまりないんです。 ここをこういうふうに弾くんだという親切な動画とを公開してくれている人もいますが少ないです(外人さんの動画が多い、当然洋楽です)

そこでTAB譜というギター専用の譜面が便利なのですが、これをネットで公開すると著作権の侵害となって協会から使用料を請求されます。 なので公開されているTAB譜は少ない(作るのも大変なので)です。

TAB譜はお金を取ってこれを販売しているサイトもありますね。 でも、そこそこの腕がないとTAB譜を見て弾くことはできません。 TAB譜と演奏動画が公開されていればまずまず練習はできます。

YOUTUBEでのTAB譜公開は包括契約で著作権がクリアされているので違反にはなりません。

「コード教則」
良いところ
・まったくの初心者でも、省略したコード(当ブログでは「かんたんコード」と言ってます)なら、絶対に弾ける。

何しろ指1本や、押さえさえしないコードもあるくらいですから。なので、伴奏して1曲歌う事は比較的かんたんです。
でも、何より最後まで1曲弾けたというのは大きな自信になるはず。

悪いところ
・歌に自信がないと伴奏の意味があまりなくなってしまう事。
私の年代はオンチというのが珍しくなかったのですが、今時の人は基本そこそこ歌えますね。あまり不安要素はないのかも。
少しぐらいの歌のまずさはコードの音色やリズムが補ってくれますからね。

<雑感>

アコースティックギター弾きたいと思った動機はなんでしょうか?

だいたいは「コブクロ」のような、「一人がギター」・「一人がボーカル」のような
または、一人で伴奏しながら歌う「MIWA」さんや「あいみょん」さんなどのスタイルにあこがれるのではないでしょうか?

私がしばらく講座受講していた大森ごうすけさんの動画を見ていたら、「ギターはコードから入らない方がいい」という意見でした。
彼はマール・トラビスやチエット・アトキンスという古いアメリカのギター奏者の流れをくむフィンガーピッカー(指で弾く人)なので、「コードでお茶を濁すな」ということなのだと私なりに解釈しています。

ちなみに彼の愛用ギターは、オーストラリアの老舗「メイトン」(MaTon)。確かフィンガースタイルの大会での賞品だったと言ってました。あとテイラー(Tayler)。どちらもエレアコかつ指引き寄りのギターですね。そしてヤマハのサイレントギターも持っておられます、。

大森さんのギタースタイルは特殊です。

いわゆる「ソロギター」というには曲が一般的ではありません。 知る人ぞ知る曲といいますか。逆に「こういう弾き方がしたい!」 と思う人が入門するというスタイル。 大森さんはシンガーではなく歌は全く歌わないので、指弾きに特化した演奏レッスンをしてくれてます。

公開されている動画では「さわり」だけしか見せてくれません。エッセンスは有料です。私が受講していた頃は月額980円でしたが、今は5,478円(税込み)。値上がりが激しい!

カナダ在住で日本向けにニッチなジャンルのギターレッスンを運営。これで十分食べていける! 大した人です。

一方、古澤剛さんという方。こちらはコードストローカー(という呼び名があるかどうか知りませんが・・・)コード弾きのシンガーです。

古澤さんは洋楽メインで弾き語りの動画を多数アップされていて、レッスン動画やしゃべりを含めたチュートリアル動画(弾き方指導)はありませんが、機材もそろっていて良い音で迫力の演奏を聞かせてくれます。

彼のギターはギブソンやマーティンのビンテージ。結構な値打ちものです。お金持ちっぽいですね。

私の動画などは再生回数がひとけたばっかりです。検索しても出てこないのでしかたないですね。
地道にブログを育てていかないと、Google様に認知されないということでしょうか。

ギターを始める場合、コードが先かメロディーが先かの話・・・という話でした。

私は絶対、コード派!!! 挫折しにくいから!

さて、この記事をきっかけにギターを始めてみたいと思ったら、ぜひ私の講座をのぞいてみてください(もちろん完全無料です)

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